私の絵に思うこと

by tsuruyuna posted 2017年11月24日 category days

私の作品「ながれとどまりうずまききえる」が、現在ホキ美術館に展示していただいております。美術館に展示していただき、長い間多くの人に観ていただけることは、私にとっても作品にとっても大変嬉しいことです、ありがとうございます。もしホキ美術館を訪れる機会がありましたら、是非ご高覧ください。

ホキ美術館に展示されている素晴らしい写実絵画を鑑賞し、日本の写実絵画の礎を築いてこられた先生方の功績を想うと、私の作品は写実絵画とは言えないなあと思っています。

最近、現在の写実絵画という括りで若い人の作品(私を含めて)を取り扱っていただける展覧会や雑誌の特集が増えてきたこともあり、写実絵画の定義が拡大されつつあるように思います。だから私の作品も取り扱っていただけているのでしょう。絵画を描いている者として自分の立ち位置は何なのか、ということはしっかり考えていかなければいけないと思います。

恩師がおっしゃるには、あえて私の作品をカテゴリーするなら、象徴主義だと。・・・そう、そうなんですよ!!自分の中でかなり整理することのできるお言葉でした。なぜなら私は、ものがそこに在る、ということに向き合うというよりか、自分が美しいと感じたものを抽出して過剰に入れ込んでいくという描き方をしているからです。

「ながれとどまりうずまききえる」ですが、作品の詳しい内容は前にこのブログで書いたと思いますので詳しく触れませんが、補足として。浅瀬の渓谷に横たわる女性を描いていますが、一番描きたかったのは水の流れと太陽の光によって生まれる無数の光でした。水を描きたいと思って制作が始まりましたが、実際自分で水の中に入って横たわると、水面と目線の位置が同一に近くなり、目の前にあるキラキラとした光がとても美しくて印象的でした。耳に水がつかると、ゴゴゴーちゃぽちゃぽ、と音がしてそれも相乗効果で美しく見えたのかもしれません。もちろん、遠くから眺める渓谷も美しいのですが、肌で感じることにより、より一層深く感じ、描きたいという気持ちが強くなりました。そういった理由で、作品の水面の光を削ったり重ねたりぼかしたり強調したりと試行錯誤してしまいました。もしかしたら他者から見れば過剰だったかもしれません。しかし、あの時の私には必要な行為だったとも思っています。

そういって意味では、あの作品は、写実絵画とは言えませんが、私にとってのリアルなものだったように思います。

これから、自分が描きたいと肌で感じた想い入れのあるものを、丁寧に細密に描いていきたいと思っています。今作品制作を続けていられてこうやって考えられるようになったのは、大学やアートスクールで絵画の様々な技法を教えていただいた先生方のおかげだと本当に感謝しています。しかしながら、前述したとおりまだまだ中途半端なことは明確です。細密に描けるのか、描けるとしてそれをどう自身の作品にしていくのか、といった課題に向き合っていけたらと思います。

雑誌アートコレクターズの写実特集に私の記事ものせていただくことになりました。こういった気持ちでアンケートを書かせていただきました。文字や言葉では真の想いを伝えられないかもしれません。結局作品で伝えるしかないのですね。描きます。

画像はモノクロに加工したホキ美術館の展示風景です。実際の色味は是非本物をご覧ください!

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